◆ダンゴ釣り(紀州釣り)とは
基本的に底に居るチヌを狙うには、エサを底に届けなければなりません。
しかし、エサは底に着くまでにエサ取りの猛攻を受けて、底に着いた頃には針だけ。と言う事も珍しくありません。
そこで考えたのが、エサを「ぬかダンゴ」に包んで底まで届ける方法です。
又、ぬかダンゴ自体に集魚効果があり、一石二鳥を狙えます。
◆仕掛け
特に変わったものはありません。初心者の方でも、手持ちの道具で
十分の場合があると思います。
慣れてきて道具を揃えるならば、竿やリールはチヌ専用があります。
又、ウキは紀州釣り専用のものもあるようです。
1.竿
・磯竿の1~1.5号程度
・長さ4.5~5.3m程度
出来ればインナーロッドが扱いやすい
2.リール
・2000~3000番台程度
・道糸は3号程度
個人的にはレバーブレーキ付きのタイプが好きです。
3.ウキ
・ドングリウキ(円錐ウキ) おもり負荷:B程度
・棒ウキ おもり負荷:0.5号程度
上の2種類のどちらでも良いです。安価なもので大丈夫です。
その他として、寝ウキや管付き玉ウキ等もよく使われます。
まずは自分の気に入ったものを使ってみてください。
4.針、ハリス
・針 チヌ針の4号前後を数種類。
・ハリス フロロカーボの1.5号前後を数種類。
5.小物
・ウキ止め糸(ゴム)
・しもり玉
・からまん棒
・サルカン
・ガン玉
◆その他必須の道具類
仕掛けの他に、下図のような道具類が必要です。
下図には書いていませんが、他に腰掛や竿掛けも必要です。
尚、腰掛はクーラーBoxを代用するのが大半の様です。
1. タモ
2. 水汲みバケツ
3. スカリ
4. ダンゴ投げ専用ひしゃく(有ると便利です)
5. バッカン (ダンゴ作り及び保管用)
6. 餌箱
◆ダンゴの作り方
これが一番難しいというか面倒というか(笑)
私もダンゴの配合については、未だに試行錯誤の状態です。
ただ最も重要な事は、集魚効果よりも、ダンゴが海底で溶ける(崩壊)時間です。
私はダンゴが着底して溶け始め、約30秒でさし餌が露出するそんな感じをイメージしています。
1.用意するもの
ダンゴの材料と配分は下記のとおりです。(分量 1)の単位は各自決めてください。
例えば、1リットルの計量カップとか、洗面器やボールなどでも良いでしょう。
尚、とても重要な事ですが、下記の配分は結構アバウトです。
これをきっちり守っても釣れるでしょうが、守らなくても釣れると思います。
先述したように、着底して大体30秒くらいで割れてウキが浮いてくるようにしたら良いです。
この加減がバラケ具合と言いますが、なかなか割れなかったら砂を加える。早く割れるなら、ぬかを加えると言ったように現地で状況を見ながら調整します。
又、慣れるまではバラケ具合も良く分からないでしょうから、市販のダンゴの元を購入してみるのが良いかと思います。
・ぬか (分量 4)
・砂 (分量 1)
・サナギ粉(粗びき) (分量 0.2)
・押し麦 (分量 0.2)
・海水 (分量 0.5)
2.配合
・バッカンに、砂・サナギ粉・押し麦を入れる。
・そこに海水を入れる。
・良くかき混ぜ、ペースト状にする。
・10分程度放置。(その間に仕掛け等準備したら良いです)
・ぬかを入れる。
・まんべんなく混ぜる。
・又、10分程度放置。(その間に、後述のタナ取りをしたら良いです)
◆タナ取り
タナ取は他の釣りとちょっと違います。
まずは下のイラストの様に、タナ取りゴム等を使って針が底に着くように調整します。
ウキ下=水深 の状態です。
ここまでは普通ですね。
次に、ウキ下を5~10cm程浅くします。
こうする事によって、ダンゴを投入した時はウキは沈み、ダンゴが割れるとサシ餌が飛び出してきます。
下のイラストを見てください。
ここで5~10cmの長さをもっと長く、つまりウキ下を短くするとダンゴが割れたことが分かり易くなります。
半面、ダンゴからサシ餌が離れるため、アタリが減ります。最初はこの5~10cm程度から始めたら良いかと思います。
ただし、下のイラストにあるようにエサが飛び出すと、チヌだけでなくエサ取りからも狙われてしまいます。
更にチヌは活性が高い時は別として、浮いたエサよりは底のエサの方を好みます。
ですから紀州釣りに慣れてきたら、この5~10cmどんどん小さくしていったら良いと思います。
尚、潮流の大きいポイントによってはウキ下を長く取って潮流によるシモリをかわすやり方もあります。
◆ダンゴの投入方法
1.エサをダンゴで包む
1)まずは、針にサシ餌つけましょう。
2)バッカンから左手でコップ半分ほどのダンゴをすくい取ります。
3)左手の上に乗ったダンゴの真ん中あたりにサシ餌を置く。
4)右手でコップ半分ほどのダンゴをすくい取ります
5)右手をダンゴごと、素早く左手にかぶせます。
6)オニギリを作る感じでギュウギュウと固めます。
この時、可能な限り丸く作りましょう。いびつな形になると途中分解の原因になります。
2.ダンゴの投入方法
ダンゴの投げ方(投入)には次の3通りあります。
1)キャッチボールの様に上手投げで投げる。
実際には砲丸投げの様に押し出すように投げます。
ダンゴに回転が掛からないようにします。
2)ソフトボールの様に下手投げで投げる。
比較的簡単ですが、座って投げるのは困難で立ち上がる必要があります。
ダンゴ釣りの場合、常時座っていますので、立ったり座ったりを繰り返すのは疲労が溜まります。
3)投げ柄杓を使う。
ダンゴ釣り専用の投げ柄杓が市販されています。
撒き餌柄杓のカップの部分がデカい奴と思ってください。
若干慣れが必要ですが、慣れると手放せません。立っても座っても使えます。
3.投入
1)リールのベールを起こす。
2)ダンゴを手に取る。又は投げ柄杓にダンゴを乗せて準備する。
3)投入前の最終確認をする。
・ベールは起こしたか?
・竿に道糸が絡んでないか?
・手、または投げ柄杓にハリスが絡んでないか?
4)投入する。
◆アタリとアワセ
ダンゴ投入時はウキが沈んでいますが、ダンゴが割れるとウキが浮いてきます。
そこから1分程度、ウキとにらめっこです。
この時間が過ぎたら、仕掛けを回収して再度ダンゴを作り打ち直します。
アタリですが
・モゾモゾ、、、モゾモゾ、、、 とウキを僅かに抑え込んだ後スーッとウキが海中に消えていく。
・ウキがいきなり消し込む。
いわゆる前アタリが有って、その後に本アタリが出る。又は前アタリが出ずに本アタリが出る。
と言ったところですが、いずれにせよ本アタリが出て、ウキが消し込んでから合わせたら良いでしょう。
◆取り込み
アワセた竿が、満月の様にしなって動かない。でも穂先だけがグン、、、グン、、、とお辞儀を繰り返す。
おめでとうございます。良型のチヌの可能性大です。
強い引きを堪能してください。
幸いにもダンゴ釣り(紀州釣り)の場合、海中の障害物が少ないケースが多いです。
無理をせず慎重に寄せれば大丈夫と思います。
魚全般に言えることですが、魚の引きにはムラがあります。
近くまで寄せて安心していたら、いきなり走り出すなんて事はざらです。
竿は常に立てておきましょう。急な走りで竿をのされたら、ラインブレイクもあり得ます。
チヌを足元まで寄せたら、空気を吸わせましょう。これも魚全般に言えることですが
空気を吸わせると若干おとなしくなります。
足元でおとなしくなったら、タモを用意してすくいましょう。
間違っても、しっぽの方から追いかける様なすくい方はやめましょう(と言うか無理です)
水面に置いたタモにチヌを誘導して、頭からすくいましょう。
念のためですが
チヌをすくったタモを、釣り竿の様にゴボー抜きにするのは止めて下さい。かなり高いレベルで
タモの柄が折れます。
チヌをすくったタモはなるべく垂直にして、タモの柄が曲がらない様にします。
そして柄を畳みながら(縮めながら)、取り込んでください。
◆まとめ
本命のチヌよりも、エサ取りの活性が高く且つ数も多い時には
フカセではなかなか太刀打ち出来ませんが、ダンゴ釣りなら攻略可能です。
是非挑戦してみてください。