チヌのアタリとアワセについてもう少し詳しく考えてみましょう。
チヌの捕食
チヌの捕食
チヌのアタリを考える前に、チヌの捕食シーンを考えてみます。
まだ私が20代だったころ(ウン十年前です)、大きなエサ屋さんに大きな水槽がありました。
そこにチヌが飼われており、たったの1度だけですがカニの捕食シーンを見ることが出来ました。
まとめると次のような感じでした
1.カニに近づく
2.一瞬で吸い込む
3.モグモグする
4.カニを吐き出す(カニは絶命して、体はボロボロ)
5.又、カニを吸い込む
6.モグモグする
7.又カニを吐き出す
8.又又、カニを吸い込む
9.モグモグし、やがて飲み込む
上記の様に、チヌは一口でエサを飲み込まず、口に入れては出しを繰り返して、違和感が無ければ飲み込む様です。
そしてエサを飲み込んだら、次のエサを探して立ち去るようです。
これが故に、チヌのアタリには「前アタリ」と「本アタリ」がある訳ですね。
捕食とウキの動き、又は穂先の動き
それでは、捕食とウキの動きを重ねて考えましょう。
前アタリ
チヌがエサを見つけて吸い込んだとします。ウキにはモゾモゾっとしたアタリが
出ます。決して消し込むようなアタリではありません。
仮に海中に没しても、チョットづつ入って又チョットづつ出て来るような感じです。
尚、この時のアタリの大きさは仕掛けの棚によります。
宙釣りなら大きく、底トントンなら小さく、そしてハワセていたならほとんど
動きません。
さて、モゾモゾっとした前アタリが2回~3回ほど繰り返されたら、いよいよ本アタリ
へと移行します。
順調なら最初の前アタリから5~10秒ほどでウキが消し込むと思いますが。
これ以上待っても変化が無ければ、チヌは針掛かりすることなく去ったかもしれません。
もしくは、チヌは居食いしているのかもしれません。
この場合どちらにせよ、聞いてみる必要があります。
「聞いてみる」につきましては下の章にまとめています。
本アタリ
捕食中のチヌは、口に入れては出しを繰り返し、ウキにはモゾモゾっとしたアタリが出ています。
やがて、チヌはエサを飲み込み、次のエサを求めて立ち去ります。この時のチヌの動きが本アタリとしてウキに現れます。
チヌの動き=ウキの動き です。
立ち去るチヌと同じ様に力強くウキが消し込んでいきます。この時糸ふけが無ければ竿先にアタリが来るでしょう。
チヌのアワセのタイミング
本アタリでウキが消し込んでからアワセれば大丈夫でしょう。
又、前アタリが出たら、本アタリに備えて心の準備をしたり、糸ふけを取ったりするのも良いですね。
尚、前アタリのモゾモゾでアワセても、釣れない事はないでしょうが、ちょっとした勝負ですね。
何しろ前アタリの段階では、エサ(針)が口の中に入っているのは半々の確率です。
聞きアワセ
フカセ釣りにしろ、前打ちにしろ、前アタリが有ったのにその後が続かない、、、、
そんな時には「聞いてみる」必要があります。
仕掛けをそーっと張って行き重みがあるか?確認します。重みが無く、仕掛けがすんなり上がって来るようなら、そのまま回収し次の動作に移ります。
しかし、仕掛けが上がってこず、重みを感じたら直ぐにアワセをします。
いわゆる「聞きアワセ」です。
気を付けてほしいのは、重みを感じてもそれがチヌで無く、単に根掛りという場合もあります。あまり強烈なアワセは控えましょう。竿を破損しかねません。
慣れると、重さの他に竿先にゴワゴワとした生体反応らしきものを感じ取れるようになります。
まとめ
まずは「本アタリ」を見極めて合わせましょう。